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寄り道

はいさい!

寒緋桜が咲き始めている久米島から、移住後テレビがない生活を続けているハウスマスターの大石です。

 

実家でも一人暮らしでもとりあえず帰宅したらテレビを点ける生活をしていたので、

最初はソワソワしちゃわないか不安でしたが、全く問題ありませんでした。

代わりにラジオを聴く時間が多くなり、「これ好きかも」と思える言葉や音楽との予期せぬ出会いがたまにあります。

何かを選択しようとする時、自分の趣味嗜好に合わせてコンピュータが色々と勧めてくれる今の世の中。

年末、映画を観ようと思い動画配信サービス内を彷徨っていると「あなたへのおすすめ」が本当に私の好みに合ったものを表示してくれていて、便利だなぁと思いました。

ただ、ありがたい反面、自作の檻に閉じ込められているような窮屈さを感じることもあります。

だからこそ開放感のようなものを求めて、最近はラジオを聴いているのかもしれません。

 

と、このブログを書いているタイミングである男子寮生が「おすすめの曲ない?」と尋ねてきました。

いつも聴いてる曲に飽きてきたという理由。

自分の枠から外れた刺激が欲しかったのかな、勧めた曲をすぐに聴いてくれる彼の柔らかさが素敵でした。

 

勢いに身を委ねて始まった私の久米島生活、移住前は想像もつかなかったような経験がたくさんあります。

歌うことは元々好きだけど、バンド演奏してもらって人前で歌うなんて。

走ることも元々好きだけど、トレーニングコーチを引き受けるなんて。

書道は元々好きだけど、キャンプ場でアウトドア書道をするなんて。

古着も元々好きだけど、売る側になるなんて。

考えもしませんでした。

 

これらの思いがけない経験はすべて、人との出会いのお陰です。

新たな価値ってゼロから生まれるもんじゃなくて、すでにあるもの同士の掛け算なんだなと、ここにいると感じます。

 

人口7500人の離島。

人は少ないけど、自分の生活圏内に存在してくれたり影響を与え合ったりしてる人は都市よりも多いはず。

一人ひとりの「あんな顔やこんな顔」を知れるからこそ、関係はより豊かになる気がしています。

今日もどこかで思いがけない出会いがあるかもしれない。

そう思いながら靴を履いてみる。

 

身体が少し軽くなるのではないでしょうか。

 

ハウスマスター大石