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ケニアから久米島へ 〈ケニア環境活動編〉

ジャンボ!高2のみすずです。

ケニア報告 第2弾はじめまーす!(第1弾はこちら。)

私は久米島のホタル館という場所で、地域の子供たちと久米島の環境保全活動に取り組んでいます。

固有種であるクメジマボタルを守るために、ホタルが住みやすい環境をつくっています。

例えば、畑の赤土が流出すると川や海は汚れてしまい、そこに暮らすホタルの餌になる生き物も死んでしまいます。

なので畑に植物を植えたり、用水路に溜まった赤土を取り除く活動をしています。

ホタルを守ることは、島全体の山・川・海すべてを守ることに繋がっていることをホタル館で学びました。

活動をしてみると、今までは気にしていなかった環境のことについてさらに学びたくなりました。

こんな小さな島でも環境問題がたくさんあって、

こんなに自然が豊かなのにそこに住む人の意識ひとつで、

美しい海が汚れてしまう現実がある。

 

では世界ではどんな環境問題があるのだろうか、

どんな対策をしているのか、

久米島で起こっていることは世界でもあるのか、

自然豊かな地域では人々がどのように自然と向き合って暮らしているのか

私は疑問に思いました。

これがケニアに留学した目的の一つです。

 

ケニアより

私が環境ボランティアで活動した場所は首都ナイロビから、車で約4時間のところにあるナクルという自然豊かな場所です。

人や野性動物が住んでいる「保護区」という場所で活動しました。

保護区の門は厳重な警備がされていました。

しかし、民家や小学校もある普通の田舎でした。

自然と共に暮らす人々を実際に見ることができました。

環境保全活動といっても活動は多岐にわたり、モニタリングや密猟者の罠の解除、植林、保護区内の道の整備、外来植物の撤去などを行いました。

モニタリングではキリンやサイ、シマウマなどの群れをみつけて、頭数を数えました。

密猟者から野性動物を守るために、大変な作業ですがとても重要です。

保護区内では外来植物の撤去のために、外来植物を食べてくれるラクダを放牧していました。

除草剤を使わず、環境に対して優しく、何より本物のラクダが自分の前を横切っていたので感動しました。

 

また、驚いたことにケニアでは政府がレジ袋を廃止していました。

まだまだ発展途上国のケニアですが、先進国の日本も見習わないといけない部分もたくさんありました。

清掃活動をしていたエレメンタイタ湖は温泉であり、近くに住むマサイ族も入浴にきています。

エレメンタイタ湖で清掃活動をしていると、湖で洗剤を使って洗濯をする人たちがいました。

困ったことに洗濯をしている横では、湖の藻を食べるフラミンゴやペリカンたちがすぐそばで泳いでいます。

水質汚染も問題になっていて、やはり昔よりも鳥の数が減少しているそうです。

さらに、プラスチックのゴミが国立公園でたくさん捨てられていました。

これらは地域に住む人々の環境に対しての意識の問題もありますが、水道が普及していなかったり、ゴミの処理ができる環境が整っていないケニアの社会の問題でもあることに気付きました。

 

自然環境と民族による関わりは現地のマサイ族の方から教えてもらいました。

マサイ族は男性の通過儀礼として、ライオン狩りができると一人前に認められていたらしいです。

またマサイ族の家畜である牛を襲う、ライオンを退治するためにライオン狩りが行われていたそうです。

ですが今はライオン狩りは、動物保護の面で政府によって禁止になったそうです。

その代わり保護区内ではマサイ族だけが、政府から決められた面積で牛の放牧を認められていました。

昔はマサイ族も上手に半遊牧を行い、野性動物と共に暮らしてきました。

ですが、干ばつや密猟者の増加で野性動物は減少し、時代と共にマサイ族も政府と折り合いをつけながら変化してきたのだと思います。

 

久米島も同じです。昔は稲作でしたが山を伐採して畑をつくり、サトウキビに転換したことで赤土が流出して海が汚れ、魚が減りました。

これを解決するために、一部の島の人たちが奮闘している姿を私は知っているし、私もその一部です。

ケニアのマサイ族や政府のように、久米島も島の人と役場がこんな関係になるにはどうすればいいのだろうか?留学で疑問や課題を見つけ、まだまだ久米島で学ぶことがあることに気付きました。

 

ケニアの環境保全活動ではすべてが貴重な経験でした。今回は特に「人と自然が共に生きる」ということに着目しました。私が環境保全活動をする中で大切にしているキーワードです。

ケニアで学んだことを忘れずに、これからも久米島で学び続けていきます。