久米島高校の総合学習「まちづくりプロジェクト」では、高校生自身が地域の課題解決にチャレンジをします。
1年生の1学期は、まず久米島について「学ぶ」時間。
毎回3名の講師を招待し、生徒はそれぞれ話を聞きたい講師を選択します。
第3回の7月17日(水)。
この日は、儀間成人会の宇久里隼人(うくざとはやと)さん
久米島観光協会の上原一晃(うえはらかずあき)さん
を招待し、お話を伺いました。
僭越ながら、高校魅力化支援員の私、岡本もお話をさせていただきました。
今日は、宇久里隼人の講演内容について紹介をしていきます。
講師プロフィール
久米島字儀間出身、宇久里隼人さん。
3男1女の父。
儀間成人会として、エイサーやハーリー、角力など地域の伝統行事の運営を行っている。
久米島の現状について
久米島は人口が減ってきているので、買い物をする人は減ってしまい、島内のお店もだんだん減っていってしまいます。そのため、観光での収入が重要。
そのために、昨年度に久米島町観光振興計画を作成しました。
久米島には今、観光が年に10万人ほど来ていて、約70億円のお金が久米島で使われているが、収入の半分は島外に出てしまっている現状があります。
ただ、観光客が増えればよい、という問題でもなく、宮古島や八重山では観光客が増えすぎたために、家賃の高騰、食事する店に観光客がいっぱいで入れないなど、いろいろな問題が発生してしまうこともあります。
そのため、観光客を急激に増やさない工夫が必要。
商工観光課で島の方々に『久米島に愛着がありますか?』というアンケートを取りました。
結果、『はい』と答えたのは、大人の75%、中高生は67%でした。子供たちにもっと愛着を持ってほしいなと思っています。
今、沖縄は、人口増加率、経済の伸び率が全国一位だけれども、大学進学後の無職率が全国1位だったり、ニート率が15%だったり、自殺率が1位だったりする現状があります。
社会の変化に伴って、働く上で求められるものも変わってきていて、昔は学歴ややる気が重視されました。
今はコミュニケーション能力、協調性、課題解決能力、自ら考えて行動する力、などが求められるようになってきています。
久米島の地域の伝統行事について
久米島の主な行事は、ハーリー、エイサー、角力。
3つの行事を一つの字ですべて行っているのは儀間くらいで、ハーリーは今年で113年目。
旧盆エイサーで花火を行うのも儀間くらなんです。
久米島まつりよりも打ち上げ花火の距離が近いのが儀間の自慢です。
ただ、地域行事を行う人の人数(特に若い人)はどんどん少なくなってきている現状があります。
今取り組んでいること
子供たちに、久米島を好きになってもらうことが大切だと思っています。
子供たちに喜んでもらえるように、儀間の花火は途絶えさせないようにしたい!
地域のことを少し気にしてくれるだけでも、地域は盛り上がると思います。
例えば、パークゴルフ場で大々的にイルミネーションをして、飛行機から見たら海みたいに見せたりとかしても面白いんじゃないか。
久米島初のプロジェクションマッピングをしてみたりとか。
各地域が盛り上がれば、久米島全体が盛り上がるはずなので。
高校生に望むこと
高校生の人数は減ってきているけど、人数が減ったからと言ってできないことはないと思います。
中学時に言われて覚えている言葉があります。
『非行少年になっても避考少年にはなるな』
授業がおもしろくないと思うなら、なぜそう思うのか考えるのが大事!
ただの字の行事として参加するだけでなく、その先にどうつながっていくのかを考えてみるなど。
自ら考えてみること。
IT技術の発展に伴って、久米島にいながら世界と仕事とできる時代がやってきています。
できれば、久米島にいながら頑張ってほしいと思います。
地域の伝統を守るだけでなく、自分たちの住みやすい街を作るためのしかけを作っていっています。
若い人のアイデアで活性化を!
70億の久米島の予算をいかにまわすか、考えていきたいと思っています。