久米島高校の総合学習「まちづくりプロジェクト」では、高校生自身が地域の課題解決にチャレンジをします。
1年生の1学期は、まず久米島について「学ぶ」時間。
毎回3名の講師を招待し、生徒はそれぞれ話を聞きたい講師を選択します。
先日は、久米島で移住定住促進の活動をしている、島ぐらしコンシェルジュの方々を3名招待し、久米島の現状についてお話をしてもらいました。
講師プロフィール
人口減少について
人口減少は出生と死亡による「自然増減」と就職や進学などによる「社会増減」の2種類があります。
久米島で問題になっているのは、自然増減よりも社会増減。
久米島は年間100人減っていて、このままでは2040年には6000人を切ると言われています。
高校1年生、16歳の皆さんが生まれたときから今までに、1,688人も人口が減っています。
2年間で今の久米島高校の全生徒数と同じくらい、人口が減ってしまっているんです。
人口が減ると起こること①学校の存続が怪しくなる
一番数が減っている年齢層は、子ども。
例えば、2040年までには子供の数が今の半分になると言われています。
例えば仲里校区の小学校の人数を考えてみると、、、
仲里小132人⇒66人
三崎小45人⇒22人
比屋定小14人⇒7人
生徒数はこれくらい減ってしまう可能性があります。小学校自体がなくなってしまうことも十分に考えられます。
人口が減ると起きること②お店や施設がなくなる
今、久米島には2軒、コンビニがあります。
しかし、コンビニの割合は3000人あたりに1軒くらい。
人口が減ってしまうとコンビニが1軒になってしまう可能性もあります。
病院や有料老人ホームも5,000人あたりに1軒。
人口が減ってしまうと、これらの施設も閉鎖され、島で安心して暮らせなくなってしまうかもしれません。
人口が減ると起きること③仕事がなくなる
お店や施設には当然、そこで働いている人が存在します。
そういった施設がなくなってしまうと、そこで働いていた人たちの仕事はもちろんなくなってしまいます。
また、人口が減ると当然お客さんも減ってしまうため、飲食店や商店なども経営が難しくなってしまうかもしれません。
島ぐらしコンシェルジュの仕事
移住定住促進を目的とした相談窓口がメイン業務。
移住とは、違う土地に移り住むこと。その支援をしています。
具体的には、移住希望者と対面相談、電話、メール、Skypeなどで相談にのったり、年に数回開催される移住フェアに参加をしたりしています。
窓口業務を開始してから、3年2か月で87人の方が移住を決めてくれました!
定住とは、一定の場所に住み続けること。
ずっと住み続けられる島を目指して、島の暮らしをよくする活動を行っています。
人口減少はいけないことなのか?
島ぐらしコンシェルジュは、移住定住促進を目的とした相談窓口の仕事をしています。
人口減少を何とかしよう、というのが大きなミッションなのですが、人口減少ってそもそもダメなことなんでしょうか?
日本の人口はすでに減少していますが、世界的にも人口は減っていくとされています。
久米島だけ単純に人口を増加させていくことに意味はあるのでしょうか?
人口が減りながらも、豊かに生きていく、そんな考え方もあってもいいのかもしれません。
住みたい場所にいながら、久米島に貢献するには?
みなさんは、大人になったらどこに住みたいと思っていますか?
島内?県内?県外?海外?
まずは、どこに住みたいか?ということが重要だと思います。
「人口減少が大変だ!」という話をすると、久米島に戻ってこないといけない!と言われているみたいでプレッシャーを感じるかもしれません。
でも、住みたい場所に住みながらも、久米島に貢献することも出来ます。
SNSで久米島の発信をするもよし。
誰かに久米島のお土産を持って行くのもよし。
どんな形でも良いから、生まれた故郷のために何かをしたい、そんな風に思って行動をしてくれるといいなと思います。
みなさんが住みたくなる町とは?
みなさんが住んでみたい町ってどんな町ですか?
娯楽施設がある?
映画館がある?
自然が豊か?
人が多くないところ?
いろんな条件があると思います。
そんな風に自分たちが少しでも住んでみたい町にするにはどんなことをすればいいのか?
ぜひそんな視点でまちづくりに取り組んでみてもらえると嬉しいです。